秋講座4回目

今回は作品に関するご相談をもとに彩色実演を行いました。

葉の上に落ちた水滴を想定して、下地が透けて見えるタイプの立体を描写しました。

また、モチーフの上に別のパーツが重なっていて、面が遮断されているときの注意点についてお話ししました。

例えば、ジャガイモやサツマイモなどの立体物はそれ自体が一貫した陰影をまとっていますが、イモ本体から出た芽や根が上に重なると、面が分断されてしまいイモ本体の一体感を表すことがとても難しくなります。
根や茎が複数ある場合や、根や葉自体の影がイモに影響していることもあります。こうなってくると至難の業ですね。


これは果実や葉でも同じです。
モチーフに何か別のものが被さることで、単体で描写するよりも確実に難易度が高くなります。
こんな時、難易度をアップさせている原因に気づけるかが、作品の質を決める分水嶺となりえます。
なぜ難しいのか気づくことができれば、描写に注意を払い、対処法を考える余裕ができますね。

さて、言葉で言うのは簡単ですが、実際に制作に取り組んでいる時にはなかなか理想どうりにはいきません。
刻一刻と植物が傷みゆく中、色やら構図やら様々な要素が複雑に絡む応用問題と向き合うとなると、どこがどのように難しいのかひとつづつ原因を紐解いていく余裕がないのがほとんどです。

では、あらかじめ注意すべきポイントが頭の引き出しに入っていればどうでしょうか?

次回は、これら無数にある描画の難所からいくつかをピックアップしてお話ししたいと思います。

Botanical Art Classes

池田真理子の植物画講座

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