6月25日

4回目の講座は、描画技法応用と題しまして、作品終盤の仕上げ工程に焦点を当てました。

制作も完成に近づくと、全体におかしなところがないかバルールをチェックする必要があります。
なぜなら、植物画では至近距離からの細密描写を行うことが多く、作品から距離をとって全体をみることが少ないからです。このような描き方では、当然、全体的な色と陰影のバランスが崩れやすくなります。とくに、作品のサイズが大きい場合や、複雑にパーツを組み合わせたものほど、全体の調子をまとめることが難しいです。

そこで今日は、自分の作品を客観的に見るための方法をお伝えしました。
作品から距離をとること、撮影した作品画像をモノクロに変換してみること、図像を反転したり逆さまに置いてみること、画像の上から加筆することなどです。

終盤になると制作もだんだん煮詰まってきますし、大胆な修正をすると取り返しがつかなくなるのではないかと怖くなりますね。
モノクロ画像を使えば色に振り回されずに悪い部分が見えやすくなりますし、印刷した画像になら躊躇なく加筆することができます。見えなかった糸口が見えやすくなります。

また、家族や友人など、周りの人の意見を聞くというのもひとつの手です。これを言ってしまうと元も子もないですが、「上手な人」に相談するのが手っ取り早いですね。

番外編として、頑張りすぎて本当に作品が見えなくなっている時や、時間をかけて大切に描いている場合には、半年間くらい作品から離れてみるのもおすすめです。

Botanical Art Classes

池田真理子の植物画講座

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