5月28日

2回目の春講座は、前回に引き続き描画技法についての内容でした。

立体的な植物を平面に描写するとなると、どうしても歪みが生じます。そして対象が複雑な色形になればなるほど、問題に気づかずに描き進めてしまうものです。
どこかおかしいような…とは感じながらも、はっきりとした原因が見えてこないため、きっと技量不足なのだろうと自信をなくしていませんか?
大丈夫です。前回同様、原因と対処法をおさえればちゃんと改善できます。
今回は、歪みを引き起こす原因として、一眼で見ることの長所と短所や、描画対象との距離、画用紙との距離についてお話ししました。

さらに、平面に立体を表す方法について、植物画に利用できる遠近法と、遠近法を意識せずに描ける範囲についてふれました。
生きている植物を描く際には、奥行きや前後関係を切り離して考えることはなかなかできないものです。それとは反対に、さく葉標本のように押しつぶされて平面に並べられた植物を描くのであれば、「奥行き」という難しい要素を回避することができます。例えば科学的に描かれた植物の図は、奥行きが浅く平面的であることが、記録や説明という役割にちょうどマッチしていますね。

難点を回避するという対処法も含めて、描写を難しくする要素、歪みを引き起こす原因にひとつひとつ対処していきましょう。

Botanical Art Classes

池田真理子の植物画講座

0コメント

  • 1000 / 1000