11月10日
2回目の講座では、実技を通して球体の陰影を学びました。
時間をかけて練習すると確実に会得でき、植物画制作に役立ちます。立体描写に慣れない方は繰り返し、すでに慣れている方も基本を再確認し、正確な描写を目指しましょう。
前回はまた時間を超過してしまい申し訳ありませんでした。なかなかペースが掴めず、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
もう少しお一人お一人じっくりお話しできたらいいのですが…。
ご質問に対する回答を、今後の講座内容に加えていきたいと思います。このサイトでも補足いたしますので、ご活用いただければ幸いです。
作品に写真を利用してよいかというご質問について、結論から述べると、利用はあくまで個々の判断にお任せすることになります。
私個人の意見としては、実物の観察に基づいた制作が基本であると考えています。その上で資料としての写真の利用は問題ないと言えますが、利用頻度や方法は制作目的によっても異なります。
例えば純粋に表現活動を目的とする場合は、個人的には写真の利用は避けています。完成までに年月がかかり、多少整合性に欠けることもありますが、制作過程を楽しむことに意味があります。
これに対して、科学的な記録を目的とする場合には、写真を利用するかしないかは問題になりません。制作過程での苦労や喜びといった余情ではなく、ただただ科学的な正確さと明確な説明的描写が求められます。
ボタニカルアートは両者の中庸にあります。その時々の制作目的を確認することで、どの程度写真を利用するかは自ずと答えが得られるかと考えています。
では、明らかにボタニカルアートの範疇を超える写真の用い方とは、例えば、植物の情報収集や細部の観察をせずに、写真だけを写して描くような場合です。このような作品はフラワーペインティング(花の絵)と呼ばれ、ボタニカルアートとは異なります。
またサイエンティフィックイラストレーションでは、おし葉標本や写真資料をもとに、限られた期日までに、生きていた状態の立体的な植物の再現を求められる事もあります。こちらもボタニカルアートとは異なり、写真が主要な手がかりになる事があります。
以前関連した内容を記載していますので、下記をご覧ください。
https://vellum.amebaownd.com/posts/6448945
次回は植物学についてお話しします。
残念ながら私は植物学者ではないため、あくまで作家の立場から、作品に植物学的要素を反映させる方法をご説明いたします。
前回パンダヌスの実物作品を見せてほしいとのご要望をいただきましたので、雨でなければ自作をお持ちしたいと思います。
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