10月27日

初回の講座は植物画の環境として社会との関係についてお話ししました。

久しぶりの講座だったため、皆様の作品を拝見するのに夢中になってしまい、時間を超過してしまいました。ご不便をおかけして申し訳ありませんでした。
単語を思い出せず言葉に詰まる場面もありましたが、時間配分と併せて徐々に慣らしていきたいと思います。

次回の課題は、鉛筆デッサンによる陰影描写です。一見すると簡単に見える課題なのですが、追求すると意外に難しく、皆様に楽しんでいただけると思います。鉛筆や紙はこちらでご用意いたしますが、慣れたものの方がよろしいかと思いますので適宜お持ちください。



前回ご質問いただいた内容に、出来る範囲でお答えしたいと思います。

1) ファブリアーノに代わる紙はあるか?

近年ファブリアーノの品質の変化に対する、作家の困惑を各所で耳にします。アルシュに移行される方が多いなか、白さを求める方からはアルシュは十分でないと伺っています。

次回の講座で、下の画像にある紙のサンプルをお持ちしますので、紙の色合いや絵具の発色をご確認いただければと思います。
キャンソン、ウィンザー&ニュートン、ムーラン・ド・ローイや、カスアートなどの海外製品もインターネットで購入できるようなので、ご検討ください。

2) どのような植物画が良い作品と呼べるか?

植物学的な記録を目的として、植物を科学的に正確に描写した絵画を総称し、「植物画」と呼んでいます。「植物画」の中でも鑑賞を目的に含むものは「ボタニカルアート」と呼ばれ、この講習で扱っている絵画になります。


ボタニカルアートの範囲は意外に多岐に渡りますが、例えばゴッホの「ヒマワリ」は、植物画でもボタニカルアートでもありません。また、植物の同定のために植物標本から描き起こされたような図は「植物画」に含まれるものの、鑑賞に向かないためボタニカルアートではありません。


いわゆる「良いボタニカルアート作品」とは、植物学的な要件を満たしながら、鑑賞者の心を動かす審美的な作品であると言えます。

「良い植物画作品」に対しては、範囲が広がるため、様々な解釈が存在すると考えられます。
今後の講習で、様々な作品の事例を図示しながらご説明する機会を持ちたいと思います。

Botanical Art Classes

池田真理子の植物画講座

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