見える色の違い

2018年6月30日の講座での内容です。

外国人作家とは、描画技術や構図への認識は共通しているのに、色彩に関しては感じ方が異なるようだ、と過去にお話したことがありました。この「人によって見える色が異なるのか」という疑問に対して、回答を見つけてくださった受講生の方がいらっしゃいました。詳しく調べていただきありがとうございます!

内容を少しかいつまんでご紹介させていただきますと、


1)太陽光の強さ(緯度の違い)によって自然界の色味が異なる。

2)目の色によって見えかたが異なる。

3)その国の歴史や文化によって色の持つ印象が異なる。

以上の理由から、作品に用いる色に影響が出るのではないかとのことでした。


植物や生息地を思い出してみると、確かに南洋のタコノキは彩度が高く明暗がはっきりして見えたのに対し、日本で見るヤツデは淡くぼんやりとしていたように感じます。どちらも自宅で実物を観察して描いた作品なのですが、タコノキは生息地で見た鮮烈な印象が影響しているのかもしれません。下の画像で見比べてください。

近年はボタニカルアートの国際交流が以前より盛んになってきました。国外で作品を展示する際には、その国でどのように見えるかという点も考える必要があるのかもしれません。


以前から、私の気づかなかった鋭い質問をいただいたり、サッと回答を探してくださったり、受講生の皆さんの意欲と優秀さにいつも助けられています。今回も詳しく調べていただきどうもありがとうございました。

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