6月12日

春講座の2回目は、19世紀のイギリスで活躍した作家、ウィリアム・フッカーとウォルター・フィッチの作品をご紹介しました。

どちらの植物画も非常に卓越した技術で描かれていて、さすがの安定感があります。
フッカーは王立園芸協会、フィッチはキュー植物園という組織のもとで描いています。どちらも植物を扱う組織ではありますが、園芸協会では園芸家目線で作品が評価されますし、植物園では植物学者に役立つ作品が求められるため、作家が作品に描く部位やその表現方法も少なからず異なります。
現代の私たちが制作するうえでも、参考になるテクニックをたくさん見つけることができました。

植物画は普通の絵画と性格が異なるので、どんな表現が適しているのか迷ってしまうことがあります。そんな時、卓越した作家達の作品を紐解くことで、皆さんの作品のスタイルを決めるヒントにしていただければと思います。

Victoria amazonica, of Victoria Regia, 1851
Walter Hood Fitch
lithography  
Public domain

次回は現代作家の作品から学びます。

Botanical Art Classes

池田真理子の植物画講座

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