影色の作り方

前回の講習では、白い花に彩色する影の色についてご質問をいただきました。様々な方法があるので、あくまで私個人の色の作り方ですがご紹介させていただきます。

単に黒い絵具を水で薄めて影の色を作る場合、汚れて傷んだような風合いになることがあります。

そこで、赤・青・黄の三原色を混ぜると黒になるという仕組みを利用します。

三原色に近い、それぞれの顔料が紙面上に散りばめられて灰色に見えるため、黒や灰色の絵具を単一で使用するよりも深みのある複雑な印象を与えることができます。

講習で使用しているホルベインの透明水彩絵具では、ミネラルバイオレット(赤として)、ウルトラマリン(青として)、イエローオーカー(黄として)を混ぜます。抽象的な表現で申し訳ないのですが、この三色からは、実際の三原色(マゼンダ・シアン・イエロー)から作るよりも手っ取り早く優しい影色ができる印象です。

もちろん三原色そのものや、他の色同士の混色からでも影色を作ることができますが、赤みが強すぎたり黄みが鮮やかすぎると違和感が生じ、試行錯誤しているうちに混色に時間をとられます。


上記の三色の組合せは比較的重宝するので、今後も繰り返しお話ししていくことになると思います。気に留めていただけると嬉しいです。

Botanical Art Classes

池田真理子の植物画講座

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