6月30日
今年度3回目は、展示作品の制作と、構図について学んだ回でした。
前回の講座で触れた白い花もそうですが、多くの方々に共通して、植物の根の描写が難点であることがわかりました。とくに、ヒゲ根はとりとめがないので描きづらいですね。前後関係を意識して、一本一本丁寧に取り組んでみてください。
構図を学ぶために、作品のパーツをパズルのようにして組み直すワークショップを行いました。使用したのは、200年前に活躍したイギリスの植物画家、ウォルター・フィッチが描いたランの作品です。ピタリと原画どおりの配置を当てられた方がいないほど、私たちの予想を超える巧みな構図でした。巨匠のバランス感覚から学んだことを、日頃の制作のヒントにしていただければ幸いです。
ワークショップと同時に、作品に描かれている部位の解説を行いました。花や葉がついた主題の枝振りとは別視点で、唇弁(しんべん)、蕊柱(ずいちゅう)、粘着体などのパーツが個別に描写されています。これらはランの特徴的な部位です。
タンポポならタンポポに、ホタルブクロならホタルブクロに、それぞれの特徴を表す部位があります。植物によって描くべきパーツの優先順位が異なるため、どの部位が大切なのかわからない時は、過去の作品や文献の図から、同じタイプの植物が描かれたものを探すと答えを見つけることができます。
次回は展覧会場での鑑賞とギャラリートークになります。
皆さんお一人お一人の作品にどのような背景があるのか、お話しを伺うのを楽しみにしています。
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