構図法
10月25日、8回目の講座内容です。
展覧会を前にし、鑑賞者を意識した作品づくりが必要になるということで、構図と額装の2点をご説明しました。
構図法について。
植物の性質に影響を及ぼさない範囲で、三分割法や黄金比などを利用すると効果的です。鑑賞者の視線が集中する箇所を考慮し、そこに主題となる花や果実を配置すると、スムーズに作品を鑑賞してもらえます。
また作品の大きな骨組みとして図形を利用することで、作品の求心力を高めたり、風にそよぐような軽やかさを演出したり、作品に秩序を与える事ができます。円形、半円形、四角形、三角形、逆三角形など、利用する図形によって鑑賞者に与えるイメージが異なります。具体的には、三角形は宗教的な意図を、逆三角形は不安定さを演出できるといった感じです。
比率や形を考慮するのと同時に、配色にも気を配る必要があります。全体の大多数を占める色に対し、補色に近い色を少量だけ利用するとその部分に注目を集めることができるのですが、これをさし色と呼びます。
故意にさし色の割合を絞ったり、流れに沿って同じ色を繰り返し配置するといった具合に、鑑賞者の視線を誘導します。
一般的な絵画では作者が自由に配色を操ることができますが、ボタニカルアートでは植物本来の色を勝手に変えることができないからこそ、植物をどのように配置するのか描画前に計画することが重要になります。
8回の講座を終了し、受講生の皆様の作品が、見る見るうちに上達されるのを見て嬉しく感じています。恐る恐る描いていらした初めの頃に比べ、作品から生命力が溢れ出しているように見えます。
これまで憎らしい雑草でしかなかった草花が、急に違った魅力を放って見えてこられたのではないでしょうか。
新しく開けた植物の世界を、今後もめいっぱい楽しんでください。
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